相撲の金星とは?意味・条件・報奨金まで初心者にもわかりやすく解説

相撲の金星とは?意味・条件・報奨金まで初心者にもわかりやすく解説

「金星(きんぼし)」という言葉を相撲中継で耳にしたことはありませんか?大きな歓声とともに実況アナウンサーが叫ぶこの言葉には、相撲ファンを熱狂させる特別な意味があります。この記事では、金星の意味・成立条件・報奨金の仕組みから、歴代最多記録・名勝負まで、初心者の方にもわかりやすく徹底解説します。相撲観戦がもっと楽しくなる知識を、ぜひここで身につけてください。

目次

金星の意味と読み方|平幕力士が横綱に勝つこと

金星の意味と読み方|平幕力士が横綱に勝つこと

相撲における「金星」は、ファンなら誰もが知る興奮の瞬間を表す言葉です。

読み方から定義まで、まずは基本をしっかり押さえておきましょう。

金星の読み方は「きんぼし」

「金星」は「きんぼし」と読みます。

一般的な日本語では「きんせい」(惑星の金星)と読むことが多いですが、相撲の世界では必ず「きんぼし」と読むのが正しい読み方です。

相撲中継やスポーツニュースで「金星」という文字が出てきたときは、「きんぼし」と読んでください。

この読み方は、後述する「星取表(ほしとりひょう)」という相撲独自の勝敗記録システムに由来しています。

金星の定義をわかりやすく解説

金星とは、平幕(前頭)の力士が横綱を破ったときに与えられる称号・記録のことです。

相撲の番付は上から「横綱・大関・関脇・小結・前頭(平幕)」と並んでいます。

横綱は相撲の最高位であり、負けることがほとんどない絶対的な存在です。

その横綱を、番付の下位に位置する平幕力士が倒すことは、まさに「大番狂わせ」であり、相撲界では特別な栄誉として扱われます。

金星を挙げた力士には報奨金(持ち給金)が与えられるほか、名声も大きく高まるのが特徴です。

つまり金星とは、番付上の強者・弱者が逆転する相撲の醍醐味を象徴する言葉といえます。

金星が成立する3つの条件

金星が成立する3つの条件

金星が認められるには、明確な条件があります。

「横綱に勝てば全部金星」というわけではなく、勝者・敗者それぞれの番付と勝ち方が問われます。

以下の3つの条件をすべて満たしたときに、はじめて金星が成立します。

条件①:勝った力士が「平幕(前頭)」であること

金星の第一条件は、勝者が平幕(前頭)力士であることです。

平幕とは、番付表の中で「前頭」と記される位置のことで、三役(小結・関脇・大関)や横綱より下に位置します。

前頭筆頭(まえがしらひっとう)から前頭十六枚目(じゅうろくまいめ)などの力士が対象となります。

番付の下の力士が上の力士を倒すことに特別な価値があるため、金星は平幕力士限定の記録とされています。

なお、十両以下の力士が横綱と対戦することは基本的になく、金星の対象外となるのがルールです。

条件②:負けた力士が「横綱」であること

金星の第二条件は、敗者が現役の横綱であることです。

横綱は相撲の最高位であり、「品格・力量ともに最高の域に達した力士」のみが認められる特別な地位です。

大関や関脇に勝っても金星にはなりません(銀星という呼称については後述します)。

横綱という絶対的な地位の力士に勝利したことが、金星の価値の根拠となっています。

たとえば、複数の横綱が在位している場合、それぞれの横綱を破るたびに金星が加算されます。

条件③:不戦勝・反則勝ちでも金星は成立する

意外と知られていないのが、不戦勝や反則勝ちでも金星が成立するという点です。

横綱が怪我や体調不良で出場できず、平幕力士が「不戦勝(ふせんしょう)」となった場合も、金星の記録に加算されます。

また、横綱が反則を犯して平幕力士が反則勝ちとなった場合も同様に金星が成立します。

ただし「実力で勝った」という意味では本割(ほんわり)での勝利が最も評価されることは言うまでもありません。

日本相撲協会の公式ルール上、勝ち方を問わず平幕が横綱に勝利した事実が金星の基準となっています。

三役(小結・関脇)が横綱に勝っても金星にならない理由

「三役力士(小結・関脇)が横綱を倒しても金星にならないの?」という疑問はよく聞かれます。

答えは金星にはなりません

その理由は、三役は「横綱・大関に挑戦できる上位番付」であり、横綱との対戦が想定内の番付とされているためです。

金星は「番付上の大きな差がある力士が勝利する番狂わせ」に意義があります。

三役と横綱の差よりも、平幕と横綱の差の方が格段に大きいため、平幕の勝利に特別な称号が与えられるのです。

また報奨金の面でも、三役力士には金星相当の追加給付は設けられていません。

金星と銀星の違い|大関戦の勝利は銀星と呼ぶ

金星と銀星の違い|大関戦の勝利は銀星と呼ぶ

金星と似た言葉に「銀星(ぎんぼし)」があります。

どちらも平幕力士が上位の強豪を破ったときに使われる言葉ですが、その意味・条件・待遇には大きな差があります。

銀星とは?平幕力士が大関に勝った場合の呼称

銀星とは、平幕(前頭)力士が大関を破ったときに使われる呼称です。

大関は横綱に次ぐ相撲界第2位の番付であり、その大関を平幕が倒すことも十分に価値ある勝利とされています。

「銀星」という言葉は主にメディアや解説者が使う呼称であり、金星のように報奨金制度と直接結びついた公式用語ではありません。

相撲の星取表では、大関戦の勝利も通常の白星として記録されます。

【比較表】金星と銀星の違いを一目で理解

以下の表で、金星と銀星の主な違いを整理します。

項目 金星(きんぼし) 銀星(ぎんぼし)
勝者の番付 平幕(前頭) 平幕(前頭)
敗者の番付 横綱 大関
公式制度 あり(日本相撲協会公認) なし(通称・俗称)
報奨金 月額4万円が生涯加算 なし
星取表の記録 金色で記録(慣習) 通常の白星と同じ
希少性 非常に高い 比較的高い

銀星には報奨金がつかない?金星との待遇差

金星と銀星の最大の違いは報奨金(持ち給金)の有無です。

金星には日本相撲協会の公式制度として月額4万円の加算が生涯続きますが、銀星にはこのような制度はありません。

また、「銀星」という言葉自体は協会の公式用語ではなく、あくまでメディアや相撲ファンの間で使われる俗称です。

大関戦の勝利は価値ある白星ではありますが、金星のように特別な待遇や公式記録として残るわけではありません。

この待遇差が、横綱の特別な地位をさらに際立たせているといえるでしょう。

金星の報奨金はいくら?力士の収入への影響

金星の報奨金はいくら?力士の収入への影響

金星の大きな魅力のひとつが、具体的な金銭的メリットです。

「きんぼし」を挙げるたびに収入が増える仕組みは、力士にとって大きなモチベーションとなっています。

金星1つで月額4万円が引退まで加算される仕組み

金星を1個挙げるごとに、月額4万円が引退するまでの間、毎月の給与に上乗せされます

この制度は日本相撲協会が定める「持ち給金(もちきゅうきん)」の一部として運用されています。

一度金星を挙げると、その後に幕下以下に落ちても金星の給金は維持される仕組みです。

引退まで継続して支給されるため、現役期間が長ければ長いほど、合計受給額は大きくなります。

たとえば30歳で金星を挙げ、40歳まで現役を続けた場合、10年間(120ヶ月)× 4万円=合計480万円が追加で受け取れる計算です。

「持ち給金」制度とは?金星と給与の関係

持ち給金とは、力士の実績に応じて基本給に上乗せされる加算給付の仕組みです。

金星(横綱への勝利)のほかに、三賞(技能賞・殊勲賞・敢闘賞)の受賞歴なども持ち給金に反映されます。

持ち給金の合計額は番付ごとに定められた基本給に加算される形で支払われるのが特徴です。

つまり、同じ番付の力士でも、金星保有数が多い力士ほど毎月の手取り収入が多くなります。

この制度は力士の実績を長期的に評価し、現役中の生活を支える重要な収入源となっています。

【計算例】金星10個なら月額40万円の上乗せ

金星の報奨金は個数に比例して増加します。

金星の数 月額加算額 年間加算額
1個 4万円 48万円
3個 12万円 144万円
5個 20万円 240万円
10個 40万円 480万円
16個(歴代最多) 64万円 768万円

歴代最多の16個を保有した安芸乃島関の場合、それだけで毎月64万円、年間768万円の追加収入があった計算になります。

金星を多く保有することが、力士の生涯収入に直結することがよくわかります。

金星の由来と語源|なぜ「金星」と呼ぶのか?

金星の由来と語源|なぜ「金星」と呼ぶのか?

「金星(きんぼし)」という名称にはどのような歴史や背景があるのでしょうか。

その語源をたどると、相撲独自の記録文化に行き着きます。

星取表の「白星」が語源の基盤

相撲では古くから「星取表(ほしとりひょう)」という独自の勝敗記録方式が使われてきました。

星取表では、勝利を「白星(しろぼし)」、敗北を「黒星(くろぼし)」として記録します。

「白星」「黒星」という言葉は現在でも「勝利・敗北」の意味として日常語にも浸透しています。

金星はこの「白星」をベースに、特別な勝利を「金色の星」として位置づけたことが語源の一説とされています。

星取表という文化が金星という言葉を生み出す土台となったのです。

横綱戦の勝利は「金色」で記録されたという説

金星という呼称のもうひとつの有力な説は、星取表において横綱を破った白星を金色で記入していたという慣習です。

通常の白星は白丸で記録しますが、横綱撃破という特別な勝利には金色(あるいは黄色)の印を使う習慣があったとされています。

「金色の星=金星(きんぼし)」という呼び名が生まれ、それが定着したという説が広く知られています。

金という色が「最高・最上」を象徴する日本の文化的感覚とも一致しており、横綱という最高位への勝利を表すにふさわしい名称です。

金星制度が定着した歴史的背景

金星に関する報奨金制度が正式に整備されたのは、戦後の日本相撲協会による制度改革期とされています。

それ以前から「平幕が横綱を破ること」は特別視されていましたが、報奨金として制度化されることで、金星の価値が公式に認められるようになりました。

横綱という地位が江戸時代から続く神聖なものであるため、「横綱に勝つ」ことへの特別な敬意は古くから相撲文化に根づいていました。

昭和・平成・令和と時代が変わっても金星制度は変わらず維持されており、現在も相撲ファンを熱狂させ続けています。

歴代金星ランキングTOP10|最多記録は誰?

歴代金星ランキングTOP10|最多記録は誰?

相撲の長い歴史の中で、多くの力士が金星を挙げてきました。

ここでは歴代金星保有数のランキングを紹介します。

歴代1位は安芸乃島の16個|金星ハンターの異名

歴代最多の金星保有数は、安芸乃島勝昭(あきのしま かつあき)関の16個です。

安芸乃島関は1989年から2002年まで活躍した力士で、大柄な横綱たちを次々と破る姿から「金星ハンター」の異名を取りました。

曙・武蔵丸・貴乃花・若乃花など、昭和・平成の名横綱たちから金星を積み重ね、前人未到の16個という記録を打ち立てました。

最高位は関脇であり、横綱・大関には昇進しなかったにもかかわらず、横綱戦での強さは際立っていました。

この記録は現在も破られておらず、金星ランキングの頂点に君臨し続けています。

歴代2位〜10位の力士一覧【表形式】

以下は歴代金星数上位の力士一覧です(参考記録)。

順位 力士名 金星数 最高位 現役時代
1位 安芸乃島 勝昭 16個 関脇 1989〜2002年
2位 大錦 卯一郎 10個 前頭 1903〜1922年
3位 舞の海 秀平 8個 小結 1990〜2000年
4位 嘉風 雅継 8個 小結 2004〜2019年
5位 豊ノ海 親治 7個 前頭 1956〜1969年
6位 玉乃海 太三郎 7個 関脇 1949〜1962年
7位 鶴竜 力三郎 横綱
8位 高安 晃 6個 大関 2009〜現役
9位 翔猿 正也 5個以上 前頭 2015〜現役
10位 阿炎 政虎 4個以上 関脇 2014〜現役

※記録は参考値です。最新情報は日本相撲協会の公式サイトをご確認ください。

現役力士の金星保持数ランキング

現役力士の中でも、横綱に積極的に挑み金星を積み重ねている力士が複数います。

照ノ富士が長らく一人横綱の時代が続いたため、翔猿・豪ノ山・阿炎・大栄翔など個性豊かな平幕力士が金星候補として注目されています。

2026年現在も各場所で金星争いは続いており、新星が生まれるたびに大きな注目を集めます。

最新の金星保有数は日本相撲協会公式サイトでご確認いただけます。

記憶に残る金星の名勝負3選

記憶に残る金星の名勝負3選

歴史的な金星には、見た人の記憶に深く刻まれた名勝負があります。

ここでは特に印象的な金星3番を紹介します。

舞の海 vs 曙(1992年)|小兵が大横綱を倒した伝説の一番

1992年(平成4年)、当時前頭だった舞の海秀平関が、大横綱・曙を破った一番は今も語り草になっています。

身長169cm・体重112kgと小兵の舞の海が、身長204cm・体重233kgの巨体を誇る曙を相手に、素早い動きと技で翻弄しました。

この勝利は「技の巧みさで力の差を補う相撲の奥深さ」を象徴する一番として、多くの相撲ファンの心に残っています。

舞の海関はこの後も積極的に金星を積み重ね、生涯8個の金星を保有しました。

嘉風 vs 白鵬(2017年)|連勝ストップの衝撃

2017年(平成29年)11月場所、前頭の嘉風雅継関が白鵬の連勝記録(当時43連勝)をストップした一番は、相撲界に衝撃を与えました。

「連勝記録の終焉」という歴史的瞬間を生み出した金星として、今も特別な一番として語られています。

嘉風関は生涯8個の金星を記録し、平成の横綱時代に存在感を示しました。

白鵬という史上最多優勝力士を倒した事実は、嘉風関の金星の中でも最も輝かしい記録のひとつです。

翔猿 vs 照ノ富士(2024年)|スピードで横綱を翻弄

2024年(令和6年)、翔猿正也関が照ノ富士を破った一番は、そのスピードと機動力が際立ちました。

翔猿関は立ち合いの素早さと変幻自在の動きで照ノ富士をかく乱し、見事な金星を挙げました。

照ノ富士が一人横綱として長らく相撲界を支配していた時代に、翔猿関は複数の金星を積み重ね「現代の金星ハンター」として注目されました。

このような名勝負の積み重ねが、相撲観戦の醍醐味を高め続けています。

金星に関するよくある質問

金星に関するよくある質問

金星について、よく寄せられる疑問にお答えします。

Q. 横綱が休場して不戦勝になった場合も金星になる?

Q. 横綱が休場して不戦勝になった場合も金星になる?

A: はい、金星になります。横綱が当日休場して平幕力士が不戦勝となった場合も、規定上は金星が成立し、持ち給金の加算対象となります。ただし「実力で勝ち取った金星」とは区別して見るファンも多く、価値の評価はケースによって異なります。

Q. 小結や関脇が横綱に勝っても金星?

Q. 小結や関脇が横綱に勝っても金星?

A: なりません。金星は平幕(前頭)力士が横綱を破った場合のみ成立します。小結・関脇などの三役力士が横綱に勝利しても、公式な金星・報奨金の対象にはなりません。三役は横綱との対戦が想定内の番付であるためです。

Q. 金星を挙げた力士には賞品が贈られる?

Q. 金星を挙げた力士には賞品が贈られる?

A: 金星の主な報奨は持ち給金(月額4万円の生涯加算)です。場所によってはスポンサーから懸賞金や記念品が贈られることもありますが、金星そのものに伴う賞品は定められていません。報奨金制度が最大のメリットです。

Q. 金星は英語で何という?

Q. 金星は英語で何という?

A: 英語では「kinboshi」(音訳)または「gold star」(意訳)と表現されることが多いです。日本相撲協会の英語資料でも「kinboshi」という表記が使われており、相撲固有の概念として国際的にも知られています。

Q. 1場所で複数の金星を挙げることはある?

Q. 1場所で複数の金星を挙げることはある?

A: あります。1場所(15日間)に複数の横綱が在位している場合、それぞれを破れば1場所で2個以上の金星を挙げることが可能です。ただし複数横綱が同時在位する時代は限られており、1場所複数金星は非常に珍しい記録です。

まとめ|金星は相撲観戦の醍醐味を象徴する瞬間

まとめ|金星は相撲観戦の醍醐味を象徴する瞬間

この記事では、相撲における「金星(きんぼし)」について、意味・条件・報奨金・歴史・名勝負まで詳しく解説しました。

最後に要点を整理します。

  • 金星(きんぼし)とは、平幕力士が横綱を破ったときに与えられる特別な称号・記録のことです。
  • 金星の成立条件は「勝者が平幕」「敗者が横綱」の2点で、不戦勝・反則勝ちでも成立します。
  • 金星1個につき月額4万円が引退まで持ち給金として加算される経済的メリットがあります。
  • 銀星(大関を破った場合の俗称)とは異なり、金星には公式の報奨金制度が存在します。
  • 歴代最多は安芸乃島関の16個で、現在も破られていない不滅の記録です。

金星が生まれる瞬間は、会場全体が揺れるような興奮に包まれます。

次に相撲を観戦するときは、ぜひ「金星が生まれるかもしれない」という目線で取組を楽しんでみてください。

相撲の奥深さと面白さが、きっと一層増すはずです。

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