相撲を取るとは?意味・ルール・やり方を初心者向けにわかりやすく解説

相撲を取るとは?意味・ルール・やり方を初心者向けにわかりやすく解説

「相撲を取る」という言葉を耳にしたことはあっても、実際にどうやって始めればいいか分からない方も多いのではないでしょうか。相撲は日本最古の武道のひとつであり、ルールを知れば子どもから大人まで誰でも楽しめるスポーツです。この記事では「相撲を取る」の意味や語源から、基本ルール・実践ステップ・安全な楽しみ方まで初心者向けにわかりやすく解説します。相撲に興味を持ったばかりの方も、ぜひ最後までご覧ください。

目次

「相撲を取る」の意味と語源|なぜ「取る」と言うのか

「相撲を取る」の意味と語源|なぜ「取る」と言うのか

「相撲を取る」は日常でも広く使われる表現ですが、なぜ「する」ではなく「取る」という動詞が使われるのか、気になったことはありませんか?

この章では言葉の定義・由来・使い方の違い・英語表現まで、まとめて解説します。

「相撲を取る」の定義と由来

「相撲を取る」とは、ふたりの力士(または競技者)が向き合い、組み合いや押し合いによって相手を倒したり土俵の外に出したりする競技を行うことを意味します。

「取る」という動詞が使われる理由は、古語に由来します。

日本語では古くから「勝負事を行う」という意味で「取る」が使われており、「碁を打つ」「将棋を指す」と同様に、競技ごとに慣用的な動詞が定着してきました。

相撲の世界では取組(とりくみ)という言葉が今も使われており、「取り組む=組み合って競う」という意味が根付いています。

さらに語源をたどると、「相撲(すもう)」という言葉自体は古語の「すまひ(争ひ)」に由来するとされており、奈良時代以前から存在する非常に歴史ある言葉です。

正倉院に残る文書や日本書紀にも相撲の記述が見られ、少なくとも約1300年以上の歴史があることが確認されています。

「相撲を取る」と「相撲をする」の違い

現代語では「相撲をする」という表現も耳にすることがありますが、正式かつ伝統的な表現は「相撲を取る」です。

「相撲をする」は口語的・カジュアルな表現であり、日常会話では通じますが、武道・格闘技の文脈や正式な文章では「相撲を取る」を使うのが適切です。

ニュアンスの違いをまとめると以下のようになります。

表現 ニュアンス 使用場面
相撲を取る 伝統的・正式 武道・文章・競技場面
相撲をする カジュアル・口語的 日常会話・子ども向け

子どもに「お友達と相撲をしてみよう」と声かけする場合など、カジュアルな文脈では「相撲をする」でも問題ありません。

ただし、相撲部屋や稽古場、大会などの正式な場では「取る」を使うのがマナーです。

英語で「相撲を取る」は何と言う?

外国人の友人や海外の方に相撲を説明する機会があるとき、英語でどう表現すればよいか迷う方も多いでしょう。

「相撲を取る」の英語表現としては、以下のフレーズが一般的です。

  • wrestle sumo(動詞として使う場合)
  • do sumo wrestling(競技として行う場合)
  • practice sumo(稽古・練習する場合)
  • compete in sumo(大会や試合に出る場合)

例文としては「Let’s wrestle sumo!(相撲を取ろう!)」や「He practices sumo every day.(彼は毎日相撲を取っている。)」のように使います。

英語圏では「sumo wrestling」という複合語が広く認知されており、説明なしに通じることがほとんどです。

「Sumo is a Japanese martial art where two wrestlers try to push each other out of a circular ring called a dohyo.」のように説明すると、ルールも合わせて伝えられます。

相撲の基本ルール|勝敗の決まり方を図解で理解

相撲の基本ルール|勝敗の決まり方を図解で理解

相撲のルールはシンプルに見えて、細かく定められた条件があります。

初心者がまず理解すべき「負けの条件」「土俵の構造」「禁じ手」の3点を、わかりやすく解説します。

相撲で負けになる3つの条件

相撲の勝敗は非常にシンプルな原則に基づいています。

以下の3つのいずれかを先に行った方が負けとなります。

  1. 足の裏以外の体の部位が土俵(砂)に触れた(転倒・膝をついたなど)
  2. 土俵の外に出た、または境界線(俵)を踏み越えた
  3. 禁じ手(反則)を行った

つまり「足の裏だけで土俵内に立ち続けた方が勝ち」という非常に明快なルールです。

プロの大相撲では行司(審判役)が「勝負あり」と宣言し、勝者を軍配で指します。

また「同体(どうたい)」といって、ふたりがほぼ同時に負けの条件を満たした場合は「取り直し(やり直し)」になることもあります。

アマチュアや子どもの相撲では、安全のため「押し出し」と「倒れた場合のみ負け」とシンプルに設定することも多いです。

土俵の構造と各部の名称【図解】

土俵(どひょう)は相撲を取るための専用フィールドで、その構造を知ることでルールへの理解が深まります。

土俵の基本仕様(日本相撲協会公式規格)

  • 土俵全体:一辺約6.7mの正方形の盛り土
  • 勝負俵(円形エリア):直径4.55mの円形エリア、外周を俵(たわら)で囲む
  • 仕切り線:中央に2本の白線(徳俵)があり、力士がここに手をついて立ち合う
  • 俵(たわら):稲わらで作られた境界線、ここを踏み越えると負け
  • 徳俵:東西南北4か所にわずかに外側にずらして置かれた俵。足がかかりやすいよう工夫

土俵は単なる円形のフィールドではなく、神聖な場所として設計されており、屋根(屋形)や四本柱(現在は吊り屋根)も伝統的な意味を持ちます。

子ども相撲や体育の授業では、ロープや白線で円を書いた簡易土俵でも十分に楽しめます。

覚えておきたい禁じ手(反則)8つ

相撲には「張り手(平手打ち)」や「投げ技」など多彩な技が存在しますが、一方でやってはいけない禁じ手(きんじて)も定められています。

日本相撲協会が定める主な禁じ手は以下の8つです。

  1. 両目・両耳に指を入れる
  2. 喉(のど)を直接押す(突き手)
  3. 頭髪(まげ)をつかむ
  4. 急所を蹴る・打つ
  5. 指を1本または2本だけで握る(関節を狙った技)
  6. 喉輪(のどわ)以外の首まわりを直接絞める
  7. 横向きや後ろ向きの蹴り技
  8. まわしの前袋(急所部分)を直接つかむ

これらの禁じ手を行った場合は即座に反則負けとなります。

初心者・子ども相撲では禁じ手の説明をあらかじめ行い、特に「目・耳・喉は絶対に触らない」というルールを徹底することが安全確保の基本です。

初心者が相撲を取るための5ステップ【実践ガイド】

初心者が相撲を取るための5ステップ【実践ガイド】

「相撲を取ってみたい」と思っても、どこから始めればよいか迷う方のために、未経験者でも安全に始められる5つのステップを順番に解説します。

ステップ1|準備運動で怪我を防ぐ

相撲は全身を使う格闘技であり、準備運動なしで取り組むと肉離れ・捻挫・関節の怪我のリスクが高まります。

相撲前に必ず行いたいウォーミングアップは以下の通りです。

  • ジョギング(約3〜5分):全身の血流を高める
  • 肩・首のストレッチ(各30秒):突き・押しで使う上半身をほぐす
  • 股関節の回旋(左右10回ずつ):四股・すり足で重要な股関節の可動域を広げる
  • 膝の屈伸・足首回し(10回):土俵での踏ん張りに備える
  • 体幹ツイスト(10回):投げ・押しで使う体幹を活性化

特に股関節と膝まわりは相撲で最も負荷がかかる部位のため、念入りにほぐしておくことが大切です。

準備運動にかける時間は最低でも10〜15分を目安にしましょう。

ステップ2|四股を踏んで下半身を安定させる

四股(しこ)は相撲の基本中の基本であり、下半身の筋力・バランス・柔軟性を同時に鍛えられる動作です。

四股の正しいやり方

  1. 足を肩幅の約2倍に開き、つま先を外側に向ける
  2. 腰を深く落とし、上体をまっすぐに保つ(背中を丸めない)
  3. 片足を高く持ち上げ、内股をしっかり伸ばす
  4. 持ち上げた足をゆっくりと踏み下ろす(「ドン」と強く踏む)
  5. 左右交互に10回ずつ繰り返す

四股のポイントは「腰を落としたまま足を高く上げること」です。

最初は足があまり上がらなくても問題ありません。毎日続けることで股関節が徐々に柔らかくなります。

四股は体幹・内転筋・大臀筋・ハムストリングスを幅広く鍛え、相撲の土台となる下半身の安定感を生み出します。

ステップ3|すり足で移動の基本を身につける

すり足(すりあし)は、足を地面から高く離さず引きずるように移動する歩法で、相撲における移動の基本です。

すり足のコツ

  • 重心を低く保ち、膝を軽く曲げた状態を維持する
  • 足裏全体が地面に触れたまま、前後左右に滑らかに移動する
  • つま先が地面から離れないよう意識する
  • 上体がブレないよう体幹に力を入れる
  • 1往復(前後5m程度)×10セットを目安に練習する

すり足が身につくと、相手に対して素早くかつ安定した移動ができるようになり、押し・引きの動作が格段にスムーズになります。

また、すり足は転倒リスクを下げる効果もあり、安全に相撲を取るうえでも重要な動作です。

ステップ4|構え(仕切り)の正しい姿勢を覚える

仕切り(しきり)とは、取組が始まる前に両者が土俵中央の仕切り線に手をついて構える動作のことです。

正しい仕切りの姿勢

  1. 仕切り線の手前にしゃがみ込み、両手の拳または指先を地面につける
  2. 腰を落とし、背中をまっすぐに伸ばす
  3. 目線は相手の目・胸元あたりに向ける
  4. 両足のつま先を内側に少し向け、安定した姿勢を作る
  5. 両拳をそろえて地面につけ(または両手の指先を線の内側につけて)立ち合いの合図を待つ

仕切り姿勢の安定が、立ち合いの瞬間の爆発的な動き出しにつながります。

初心者はまず「腰を落とす+目線を前に向ける」の2点を意識するだけで、大きく変わります。

ステップ5|実際に組み合って押し相撲から始める

基本動作を習得したら、いよいよ実際に相手と組み合う段階です。

初心者には「押し相撲」から始めることを強くおすすめします。

押し相撲とは、まわしをつかまずに相手の上体(肩・胸・腕)を両手で押す形式で、複雑な組み合いや投げ技を使いません。

押し相撲を始める手順

  1. お互いに仕切りの姿勢を取る
  2. 「はっけよい、のこった」の掛け声で立ち合う
  3. 相手の肩や胸に両手を当て、重心を低く保ちながら押し進む
  4. 相手が土俵の外に出るか、倒れたら勝ち
  5. 転んだり足が出たりしたら負けを認め、すぐに立ち上がる

押し相撲でも十分な運動量と楽しさが得られ、基本的な体重移動・バランス感覚が自然に身につきます。

初心者でも使える相撲の技3選【動きのコツ付き】

初心者でも使える相撲の技3選【動きのコツ付き】

相撲には公式の決まり手が82種類ありますが、初心者が最初に覚えるべき技は3つだけ押さえれば十分です。

動きのコツとともに分かりやすく解説します。

押し出し(おしだし)|最も基本の決まり手

押し出しは、相手の体を両手で押して土俵の外に出す技で、大相撲でも最も多く出る決まり手のひとつです。

全決まり手の中でも出現頻度が高く、初心者が最初に習得すべき技といえます。

押し出しのコツ

  • 相手の上体(胸・肩)に両手のひらをしっかり当てる
  • 腰を低く落とし、自分の重心を前に傾ける
  • 足はすり足で小刻みに前進し続ける(大股で踏み込まない)
  • 腕だけで押さず、全体重を乗せるイメージで押す
  • 相手が後退し始めたら、一気にペースアップする

失敗しやすいポイントは「腰が高くなること」と「足が止まること」です。

常に腰を落とし、足を止めずに小刻みに動かし続けることが成功の秘訣です。

寄り切り(よりきり)|密着して運ぶ技

寄り切りは、まわしや上体をつかんで相手に密着し、押し込むようにして土俵の外に運び出す技です。

押し出しと並んで大相撲の決まり手上位に入る頻出技であり、体格や力に自信がある方に特に向いています。

寄り切りのコツ

  • 相手のまわし(または脇腹・腰まわり)をしっかりつかむ
  • 胸と胸を密着させ、隙間を作らない
  • 腰を低く保ちながら、小刻みなすり足で前進する
  • 相手の腰を引き寄せつつ、自分の体全体で前に運ぶ
  • 土俵の端が近づいたら、最後の一押しで決める

寄り切りで重要なのは「密着を切らさないこと」です。

少しでも体が離れると相手に引き技や逃げ技を使われるリスクがあるため、常に圧力をかけ続けることが大切です。

はたき込み(はたきこみ)|相手の勢いを利用する

はたき込みは、押してくる相手の動きを利用して横に体をかわしつつ、相手の肩や腕を手でたたき下ろして前に倒す技です。

体力や体格に自信がない方でも使いやすい「受け技・カウンター系の技」です。

はたき込みのコツ

  • 相手が勢いよく押してきた瞬間を狙う
  • 体を横に半歩ずらし、相手の突進方向から外れる
  • 相手の肩・腕・背中を手のひらで素早くたたき下ろす
  • 同時に自分は後退せず、安定した体勢を保つ
  • 相手が前に崩れたらそのまま土俵の外に押し出す

はたき込みの成否はタイミングが9割です。

相手が押してくる前やすでに動き出した後では効果が薄いため、「最も勢いよく前進した瞬間」を逃さないことが重要です。

安全に相撲を取るための注意点

安全に相撲を取るための注意点

相撲は激しい格闘技であるため、安全への配慮が非常に重要です。

怪我を防ぐためのポイント・子どもへの指導法・服装と場所の選び方を解説します。

怪我を防ぐ3つのポイント

相撲での主な怪我には「捻挫・肉離れ・打撲・転倒による擦り傷」などがあります。

これらを防ぐための3つの重要ポイントを押さえましょう。

  1. 十分な準備運動・クールダウンを怠らない:取組前後の10〜15分のストレッチが怪我リスクを大幅に下げます。特に股関節・膝・足首は念入りに。
  2. 体格差のある相手とは慎重に取り組む:体重差が10kg以上ある場合は、本格的な組み合いより押し合い練習から始めるのが安全です。転倒時の衝撃が大きくなるためです。
  3. 「待った」と「参った」のルールを決める:危険を感じたときや態勢が崩れたときに即座に止められるよう、事前に「参った」の合図(タップや掛け声)を取り決めておきましょう。

また、土俵の周辺にはクッション材やマットを敷いておくと、転倒時の怪我を大幅に減らすことができます。

子どもが相撲を取るときの配慮と声かけ

子どもに相撲を体験させる際は、大人とは異なる配慮が必要です。

子ども相撲で意識すべきポイント

  • 体格・体重の近い子ども同士で組ませる:成長期は体格差が激しいため、できる限り同体重・同学年の子どもでペアを組む
  • 投げ技・足技は禁止にする:初めは押し相撲のみのルールで安全性を確保する
  • 勝ち負けよりも楽しさを優先する:「よく頑張ったね」「いい押しだったよ」など、プロセスをほめる声かけをする
  • 大人が必ず見守る:子どもだけで取り組ませず、大人が安全管理者として立ち会う
  • 泣いたり怖がったりしたらすぐに中断:無理強いせず、本人が楽しいと感じる範囲で行う

小学校低学年(6〜8歳)には「押し相撲のみ」「1回ごとに休憩を入れる」などのルールが特におすすめです。

まわしなしでもできる?服装と場所の選び方

相撲といえばまわしのイメージが強いですが、まわしなしでも十分に相撲を楽しめます

おすすめの服装

  • Tシャツ+ショートパンツ:動きやすく、つかまれにくい薄手の素材が向いている
  • スパッツ・レギンス:転倒時の擦り傷防止になる
  • 裸足が基本:相撲は基本的に素足で行う。屋内ならフローリングでも可
  • アクセサリー類は外す:指輪・ネックレス・ピアスは怪我の原因になるため必ず外す

場所の選び方

  • 柔道場・体育館の畳エリア:最もおすすめ。転倒しても衝撃が少ない
  • 公園の芝生エリア:屋外でも芝生なら転倒時のダメージが少ない
  • フローリング・コンクリートは避ける:転倒時に骨折・打撲のリスクが高い
  • 砂浜:砂が柔らかいため怪我リスクが低く、本格的な土俵に近い環境で楽しめる

自宅でできる相撲トレーニング【運動不足解消にも】

自宅でできる相撲トレーニング【運動不足解消にも】

相撲の稽古に使われるトレーニングは、一般的な体力向上・ダイエット・運動不足解消にも非常に効果的です。

自宅でできる代表的な2つのトレーニングを詳しく紹介します。

四股トレーニングの効果と正しいフォーム

四股は相撲の稽古のなかでも最も基本的なトレーニングであり、全身の筋肉と体幹を同時に鍛えられる万能エクササイズです。

四股トレーニングで鍛えられる主な筋肉

  • 内転筋(太もも内側)
  • 大臀筋(お尻)
  • ハムストリングス(太もも裏)
  • 腸腰筋(股関節まわり)
  • 体幹(腹横筋・多裂筋)

1日の目安回数:初心者は左右各10回(計20回)から始め、慣れてきたら左右各30〜50回に増やしていきます。

四股トレーニングの健康効果

  • 股関節の柔軟性向上
  • 骨盤の歪み矯正
  • 下半身の筋力アップ
  • バランス感覚の改善
  • 内臓機能の活性化(深い腰の動きが消化器系に好影響)

スポーツ医学の観点からも、四股は転倒予防・腰痛改善・高齢者のリハビリに有効とされており、近年アスリートや健康志向の方にも注目されています。

すり足エクササイズで体幹を鍛える

すり足エクササイズは、単純な動作でありながら体幹・バランス・下半身の安定性を高める効果があります。

自宅でできるすり足エクササイズの方法

  1. 足を肩幅に開き、膝を軽く曲げた低い姿勢を取る(スクワットの半分程度の深さ)
  2. 上体を固定したまま、足裏を床から離さず前後または左右に5歩ずつ移動する
  3. 1セット10往復×3セットを目安に行う
  4. 慣れてきたらスピードを上げ、または重心をさらに低くする

すり足エクササイズ中は常に「腰が上がらないこと」「膝が内側に入らないこと」の2点を意識することが重要です。

このエクササイズはスペースがほとんどなくても実践でき、1セット約5分で完了するため、毎日のルーティンに取り入れやすいのが特徴です。

相撲の歴史と文化|なぜ日本の国技と呼ばれるのか

相撲の歴史と文化|なぜ日本の国技と呼ばれるのか

相撲は単なるスポーツにとどまらず、日本の文化・信仰・歴史と深く結びついた存在です。

なぜ相撲が「日本の国技」と呼ばれるようになったのか、その歴史的背景を解説します。

神事から始まった相撲の起源

相撲の起源は、神話の時代にまでさかのぼります

日本書紀(720年)には、建御雷神(たけみかづちのかみ)と建御名方神(たけみなかたのかみ)が力比べをしたという記述があり、これが相撲の神話的起源とされています。

また垂仁天皇の時代(約2000年前)には、野見宿禰(のみのすくね)と当麻蹴速(たいまのけはや)が相撲を取ったという記録も日本書紀に残っており、これが史上初の相撲の記録とされています。

奈良・平安時代には、宮中で五穀豊穣を祈願する「相撲節会(すまいのせちえ)」が毎年行われていました。

これは単なる力比べではなく、神に奉納する神事(儀式)として重要視されており、現在も大相撲の土俵に屋根(吊り屋根)が掛けられているのはこの神事の名残です。

現代の大相撲でも、取組前の塩まき・四股・仕切りなどは神道的な意味を持つ儀式として受け継がれています。

江戸時代に花開いた興行相撲

現在の大相撲の形が確立されたのは江戸時代(17〜19世紀)です。

寺社の修繕費用を集めるための「勧進相撲(かんじんずもう)」が各地で行われるようになり、やがて江戸・大坂・京都を中心とした本格的な興行として発展しました。

江戸時代中期以降、相撲は庶民の娯楽として爆発的に人気を集め、谷風梶之助や小野川喜三郎、雷電為右エ門などの人気力士が「相撲絵」として浮世絵に描かれるほどの文化現象となりました。

「国技」という呼称は明治42年(1909年)に両国に「国技館」が開設されたことを機に広まったとされており、法律上の「国技」指定ではなく、慣習・文化的な呼称です。

2026年現在も、大相撲は年6場所(1月・3月・5月・7月・9月・11月)にわたって開催されており、国内外から多くのファンを集めています。

相撲を取る前に知っておきたいQ&A

相撲を取る前に知っておきたいQ&A

相撲を始める前によく寄せられる疑問をQ&A形式でまとめました。

Q. 相撲は何歳から始められる?

A: 体験・遊びとしてなら3〜4歳から始められます。本格的な稽古は小学校入学(6歳)以降が一般的です。日本相撲連盟の登録競技としては小学1年生からエントリーできる大会も多くあります。プロ(大相撲)の入門資格は中学卒業後(15歳以上)、23歳未満が基本条件です。

Q. 女性でも相撲を取れる?

A: はい、女性でも相撲を取ることができます。アマチュアの女性相撲は公式競技として認められており、公益財団法人日本相撲連盟も女性部門の大会を開催しています。なお大相撲(プロ)は伝統・慣習上、女性は土俵に上がれないルールがありますが、アマチュア相撲では男女問わず楽しめます。

Q. 相撲を取るとダイエット効果はある?

A: 相撲の動作(四股・すり足・組み合い)は全身運動であり、短時間でも高いカロリー消費が期待できます。四股を30分行うと約150〜200kcal消費するとされており、下半身の筋力アップにより基礎代謝の向上にも効果的です。ただし体重増加を目的とするプロ力士の食事法(ちゃんこ鍋+昼寝)は別物ですので、ダイエット目的なら食事管理と組み合わせることが重要です。

Q. 相撲の決まり手は全部でいくつある?

A: 日本相撲協会が公式に認定している決まり手は82手+非技(勞勝・不戦勝・反則勝)の合わせて82種類です。押し出し・寄り切りなど頻出の技が全体の約70%を占めており、稀にしか出ない技(腕返し・蛸足など)も公式に分類されています。初心者はまず上位10手を覚えるだけで試合観戦が格段に楽しくなります。

本格的に相撲を始めたい方へ【次のステップ】

本格的に相撲を始めたい方へ【次のステップ】

相撲に興味が深まり「本格的に始めたい」と思ったら、相撲教室や体験イベントへの参加が最短ルートです。

相撲教室・道場の探し方

全国各地に相撲道場・相撲教室が存在し、子どもから大人まで幅広い年齢層が通っています。

相撲教室・道場の探し方

  • 公益財団法人日本相撲連盟:公式サイトから加盟団体・道場を検索できる
  • 各都道府県の相撲連盟:地域の連盟に問い合わせると近隣の教室を紹介してもらえる
  • 市区町村の体育協会・スポーツセンター:地域のスポーツ施設で相撲教室が開催されていることも多い
  • 小学校・中学校の相撲部:学校のクラブ活動として相撲部がある場合、顧問の先生に相談する

月謝の相場は地域や教室によって異なりますが、子ども向け教室で月額3,000〜8,000円程度が一般的です。

大人向けや社会人向けのクラスも増えており、週1回から通える教室も多いため、まずは体験入門から始めてみましょう。

相撲体験イベントに参加してみよう

道場に通う前に「まず試してみたい」という方には、相撲体験イベントへの参加がおすすめです。

参加できる相撲体験イベントの例

  • 両国国技館周辺のイベント:東京・両国エリアでは相撲体験や見学ツアーが定期的に開催されている
  • 相撲部屋の朝稽古見学:多くの相撲部屋が一般向けに朝稽古を無料公開している(事前予約が必要な場合あり)
  • 地域の祭り・運動会での相撲大会:秋祭りや体育祭で子ども相撲大会が開催されることも多い
  • アウトドアイベント・キャンプでの相撲体験:自然の中での土俵体験イベントも全国で増えている

体験イベントでは専門のインストラクターが指導してくれるため、初心者でも安心して参加できます。

まわしの着け方から取組の流れまで丁寧に教えてもらえることが多く、相撲の魅力を体全体で感じる絶好の機会です。

まとめ|今日から相撲を取る第一歩を踏み出そう

この記事では「相撲を取る」の意味・語源から、基本ルール・実践ステップ・技・安全対策・トレーニング・歴史まで幅広く解説しました。

この記事のポイントをまとめます。

  • 「相撲を取る」は古語に由来する正式な表現で、「相撲をする」よりも伝統的・正式な表現である
  • 相撲の基本ルールは「足の裏以外が地面につくか、土俵の外に出たら負け」というシンプルなもの
  • 初心者は準備運動→四股→すり足→仕切り→押し相撲の5ステップで安全に始められる
  • 四股・すり足は自宅でできる体幹トレーニングとしても非常に効果的
  • 相撲は約1300年以上の歴史を持つ日本固有の文化であり、神事に起源を持つ

相撲は特別な道具や広いスペースがなくても、基本さえ押さえれば今日から始めることができます。

まずは自宅で四股トレーニングを始めるか、近くの相撲体験イベントや教室を探してみましょう。

日本が世界に誇る格闘技・相撲の魅力を、ぜひ自分の体で感じてみてください。

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