「相撲の階級って何段階あるの?」「横綱と大関はどう違う?」「十両になると給料が出るって本当?」——相撲をもっと楽しみたいけれど、複雑な階級制度がよくわからないという方は多いはずです。この記事では、相撲の階級を上から下まで全10段階をわかりやすく解説します。各階級の定員・給料・昇進条件から番付表の読み方まで、これ一記事で相撲の階級のすべてが丸わかりになります。
【結論】相撲の階級は全部で10段階|一覧表で即確認

相撲の階級は、全部で10段階に分かれています。
大きく分けると、「関取(十両以上)」と「力士養成員(幕下以下)」の2グループになります。
この区分は単なる呼び名の違いではなく、給料の有無や待遇に大きな差があるため、力士にとって非常に重要な境界線です。
10階級を上から順番に紹介
相撲の10階級を上位から順に整理すると、以下のようになります。
| 順位 | 階級名 | 区分 | 定員 |
|---|---|---|---|
| 1 | 横綱 | 関取 | 定員なし(慣例的に少数) |
| 2 | 大関 | 関取 | 定員なし |
| 3 | 関脇 | 関取 | 2名(東西各1) |
| 4 | 小結 | 関取 | 2名(東西各1) |
| 5 | 前頭(平幕) | 関取 | 約32名 |
| 6 | 十両 | 関取 | 26名 |
| 7 | 幕下 | 力士養成員 | 120名 |
| 8 | 三段目 | 力士養成員 | 200名 |
| 9 | 序二段 | 力士養成員 | 約230名 |
| 10 | 序ノ口 | 力士養成員 | 定員なし(最下位) |
全体では約700名の力士が在籍しており、そのうち関取(十両以上)はわずか約70名ほどにすぎません。
約700名の中でトップ70名に入れるかどうかが、力士としての生活を大きく左右する分岐点なのです。
「関取」と「力士養成員」の違い
関取とは、十両以上の階級にいる力士の総称です。
一方、力士養成員とは幕下以下の力士の呼び方で、まだ「一人前の力士」として認められていない段階を指します。
両者の最大の違いは以下の3点です。
- 給料:関取には毎月給料が支給されるが、力士養成員には基本給がない
- まげ:関取だけが「大銀杏(おおいちょう)」と呼ばれる特別なまげを結うことができる
- 待遇:個室・専属の付け人・化粧まわしなど、関取だけに許される特権が多数ある
力士を目指す若者にとって、十両昇進=関取になることが最初の大きな目標といえます。
相撲の階級と番付の仕組みをわかりやすく解説

「階級」と「番付」はほぼ同じ意味で使われることが多いですが、正確には少し異なります。
この章では両者の関係性を整理し、相撲の序列がどのように決まるのかをわかりやすく解説します。
番付とは?階級との関係を整理
番付(ばんづけ)とは、力士の強さや実績をもとに決められた順位のことです。
毎場所(年6回)終了後に成績を反映して改訂され、次の場所前に公表されます。
「階級」が横綱・大関・関脇…という大きなグループ分けだとすれば、「番付」はその中での細かい順位(例:前頭3枚目、幕下15枚目など)を指します。
つまり、階級=大分類、番付=細かい順位という関係です。
参考:日本相撲協会公式 番付表
幕内と十両の違い|「関取」になる条件
幕内(まくうち)は相撲の最上位グループで、横綱・大関・関脇・小結・前頭を総称した呼び名です。
十両は幕内のひとつ下の階級ですが、十両以上であれば「関取」と呼ばれます。
関取になる条件は、幕下での成績が認められ、番付編成会議で十両昇進が決定されることです。
目安としては、幕下上位(5枚目以内)で5勝2敗以上の成績を複数場所にわたって残すことが必要とされています。
幕内と十両の違いとして最も大きいのは「本場所での取組数」です。
幕内力士は1場所15番(15試合)取るのに対し、十両は同じく15番ですが、対戦相手の格が幕内とは異なります。
幕下以下は「力士養成員」|給料がもらえない厳しい世界
幕下・三段目・序二段・序ノ口の力士は「力士養成員」と呼ばれ、月給は支給されません。
収入は場所ごとに支給される「場所手当(奨励金)」のみで、金額は階級や成績によって異なります。
さらに、幕下以下の力士は1場所の取組が7番(7試合)のみという制限があります。
十両以上の15番と比べると約半分であり、稼ぎの機会も限られます。
また、相部屋での集団生活が基本で、個室は与えられません。
厳しい稽古と質素な生活の中で、力士たちは日々関取昇進を目指して鍛錬を続けているのです。

相撲の階級別|特徴・定員・待遇を詳しく解説

ここでは各階級の特徴・定員・待遇を詳しく見ていきます。
横綱から序ノ口まで、それぞれの位置づけと力士の実態を理解しましょう。
横綱|最高位で唯一「降格なし」の特別な地位
横綱は相撲の最高位であり、他のどの階級とも異なる「降格なし」という特別なルールが適用されます。
通常、成績が悪ければ番付が下がりますが、横綱だけは成績不振でも降格しません。
ただしその代わり、連続して成績不振が続いた場合は「引退勧告」という形で事実上の引退が求められます。
横綱は特別な白い綱を腰に巻き、土俵入りでは雲龍型または不知火型の豪華な儀式を行います。
月給は約300万円とされており、優勝賞金や各種手当を加えると年収は数千万円規模になります。
横綱の定員に制限はありませんが、歴史的に見ると同時に2〜3名いることが多く、現在は非常に少ない状況が続いているのが特徴です。
大関|横綱に次ぐNo.2の階級
大関は横綱に次ぐ第2位の階級で、「角界の柱」とも呼ばれます。
月給は約250万円で、横綱同様に高い待遇が保証されています。
大関には「カド番制度」があり、1場所で7勝8敗(負け越し)になると翌場所は「カド番」となる仕組みです。
カド番の場所でも負け越すと関脇へ降格となりますが、降格後に10勝以上を挙げれば「大関復帰」が認められるという救済措置もあります。
大関は定員の制限がなく、現在(2026年三月場所)では複数名が在位しています。
関脇・小結|三役と呼ばれる上位力士
三役とは、大関・関脇・小結の総称ですが、実際の相撲界では「関脇・小結」の2つを特に「三役」と呼ぶことが多いです。
関脇は三役の最上位で、月給は約175万円です。
東西各1名、計2名が定員とされていますが、成績次第で定員が増えることもあります。
小結は三役の下位にあたり、月給は約150万円です。
こちらも東西各1名の計2名が基本定員です。
関脇・小結は大関昇進を目指す力士の登竜門であり、連続して活躍することが大関への道につながります。
前頭(平幕)|幕内力士の中心的な階級
前頭(ひらく・まえがしら)は幕内の中で最も人数が多い階級で、「平幕(ひらまく)」とも呼ばれます。
定員は約32名で、東西に分けて前頭1枚目〜16枚目前後の順位が割り当てられます。
月給は約110万円です。
前頭筆頭(1枚目)になると横綱・大関との対戦機会も生まれ、三役昇進に最も近い位置といえます。
「前頭」の語源は「前に立つ者」とも言われており、幕内の中核を担う重要な階級です。
十両|関取の入口、人生が変わる階級
十両は関取の入口となる階級で、ここに昇進した瞬間から力士の生活が一変します。
定員は26名(東西各13名)で、月給は約110万円が支給されます。
十両に昇進すると、以下のような待遇が一気に変わります。
- 大銀杏(おおいちょう)まげを結うことができる
- 個室が与えられる
- 付け人(世話をする若い力士)が付く
- 化粧まわしを着けて土俵入りができる
- 場所での取組が15番に増える
十両の名前の由来は諸説ありますが、かつてこの階級の力士には「十両(10両=約10枚の小判)」の手当が出たからという説が有力です。
幕下・三段目・序二段・序ノ口|下位4階級の特徴
幕下以下の4階級は「力士養成員」に分類され、それぞれ以下の特徴があります。
- 幕下:定員120名。関取への最も近い位置。上位(5枚目以内)で勝ち越せば十両昇進の可能性がある。1場所7番制。
- 三段目:定員200名。幕下昇進を目指す中核階級。1場所7番制。
- 序二段:定員約230名。全階級で最も人数が多い。1場所7番制。
- 序ノ口:最下位の階級。新弟子のほぼ全員がここからスタートする。1場所7番制。
幕下以下は全員が共同生活(大部屋)を基本とし、先輩力士の身の回りの世話をしながら稽古に励む生活が続きます。

【図解】相撲の階級別|給料・年収を比較

相撲の階級によって給料には大きな差があります。
ここでは関取の月給一覧と、幕下以下の収入の実態を詳しく解説します。
関取(十両以上)の月給一覧
日本相撲協会が定める関取の基本月給は以下の通りです。
| 階級 | 月給(基本給) | 年収目安(賞金含む) |
|---|---|---|
| 横綱 | 約300万円 | 数千万円〜1億円超 |
| 大関 | 約250万円 | 3,000万〜6,000万円 |
| 関脇 | 約175万円 | 2,000万〜4,000万円 |
| 小結 | 約150万円 | 1,800万〜3,500万円 |
| 前頭 | 約110万円 | 1,300万〜2,000万円 |
| 十両 | 約110万円 | 1,000万〜1,500万円 |
月給に加えて、場所褒賞金(勝ち星に応じた報奨金)・各種手当・スポンサーからの懸賞金なども収入源となります。
横綱が優勝した場合は賞金だけでも多額になるため、年収が1億円を超えるケースも珍しくありません。
幕下以下は給料なし?場所手当の実態
幕下以下の力士には月給の支給はありません。
代わりに、場所ごとに「奨励金(場所手当)」が支給されます。
- 幕下:1場所あたり約12〜15万円程度(番付による)
- 三段目:1場所あたり約5〜8万円程度
- 序二段:1場所あたり約3〜5万円程度
- 序ノ口:1場所あたり約2〜3万円程度
場所は年6回あるため、幕下であっても年間の場所手当合計は70〜90万円程度にとどまります。
これに加えて各部屋から生活費が補助される場合もありますが、経済的には非常に厳しい状況です。
だからこそ、十両昇進は「人生が変わる」と表現されるほどの大きな転換点なのです。
階級による待遇差まとめ(個室・付け人・移動手段)
相撲界の階級差は給料だけではありません。日常生活のあらゆる面に影響します。
| 待遇項目 | 関取(十両以上) | 力士養成員(幕下以下) |
|---|---|---|
| 部屋の部屋割り | 個室 | 大部屋(相部屋) |
| 付け人 | 専属の付け人あり | なし(自分が付け人になる) |
| 着物 | 絹の着物・羽織が許可 | 木綿の着物のみ |
| 履物 | 草履(ぞうり)着用可 | 下駄(序ノ口・序二段は素足+下駄のみ) |
| まげ | 大銀杏(おおいちょう) | ちょんまげのみ |
| 場所での入場 | 化粧まわしで土俵入り | なし |
服装ひとつをとっても、序ノ口と序二段の力士は1年中着物1枚・素足に下駄のみという生活です。
これは厳しいしきたりであると同時に、「上の階級になるほど生活が楽になる」というモチベーションにもなっています。
相撲の階級はどう決まる?昇進・降格の仕組み

相撲の階級は毎場所の成績によって変動します。
ここではその基本ルールと、階級別の昇進条件を詳しく解説します。
基本ルール|勝ち越し・負け越しで番付が変動
相撲の番付(順位)は、場所ごとの勝ち越し・負け越しによって変動します。
- 勝ち越し:勝ち数が負け数を上回ること→番付が上がる
- 負け越し:負け数が勝ち数を上回ること→番付が下がる
- 同点(8勝7敗など):勝ち越しとなるが、上昇幅は小さい
幕内・十両では15番中8勝以上が勝ち越し、幕下以下では7番中4勝以上が勝ち越しとなります。
番付の上昇・下降幅は成績の内容や現在の番付位置によって異なります。
上位で勝ち越した場合は大きく上がり、下位で辛うじて勝ち越した場合は小幅の上昇にとどまります。
階級別の昇進条件と必要な勝ち星の目安
階級をまたぐ「昇進」には、それぞれ目安となる条件があります。
- 序ノ口→序二段:7番中4勝以上(勝ち越し)で翌場所に昇進
- 序二段→三段目:同様に勝ち越しを重ねることで昇進
- 三段目→幕下:三段目上位で好成績(目安:3場所連続勝ち越しなど)
- 幕下→十両:幕下上位(5枚目以内)で5勝2敗以上を2〜3場所継続が目安
- 十両→幕内:十両上位で10勝5敗以上が2場所以上続くことが目安
- 前頭→三役(関脇・小結):前頭上位で大きく勝ち越した場合に昇進
- 三役→大関:三役で「直近3場所合計33勝前後」が昇進の目安
これらはあくまで目安であり、最終的な判断は番付編成会議で行われます。
参考:相撲にはどんな階級があるのか?番付表の仕組みや階級を上げる方法(halftime media)
横綱昇進だけが特別な理由|横綱審議委員会とは
横綱昇進だけは他の階級と全く異なるプロセスが必要です。
大関から横綱への昇進には、横綱審議委員会(横審)の審議と承認が必要です。
横審は外部の有識者(文化人・スポーツ関係者など)で構成された委員会で、成績だけでなく「品格・力量・相撲内容」を総合的に判断します。
昇進の一般的な目安は「直近2場所で優勝(またはそれに準ずる成績)を連続して収めること」とされています。
横綱になると降格がないため、横審の審議には非常に慎重な姿勢が求められるのが特徴です。
これが横綱昇進だけが特別扱いとなっている最大の理由です。
番付表の見方|相撲の階級を自分で確認する方法

番付表を読めるようになると、相撲観戦がさらに楽しくなります。
ここでは番付表の基本的な構造と、最新番付の確認方法を解説します。
番付表の基本構造(東西・文字の大きさの意味)
番付表は縦に5段で構成されています。
- 最上段:幕内力士(横綱・大関・関脇・小結・前頭)
- 2段目:十両・幕下
- 3段目:三段目
- 4段目:序二段
- 5段目:序ノ口・年寄・行司・呼出しなど
番付表は左右で「東(ひがし)」と「西(にし)」に分かれており、東が若干上位とされます。
また、文字の大きさが階級の高さを示しており、横綱の名前が最も大きく書かれています。
番付表は毎場所前に和紙に毛筆で書かれた本物が発行され、相撲ファンの間では人気のコレクターズアイテムにもなっています。

最新の番付を確認する方法
最新の番付は以下の方法で簡単に確認できます。
- 日本相撲協会公式サイト:最も正確な情報源。毎場所前に更新されます。番付表ページはこちら
- スポーツナビ:視覚的に見やすい形式で確認できます。スポーツナビ 相撲番付
- NHK・各スポーツ新聞:場所前に番付発表のニュースとともに掲載されます。
相撲の階級の覚え方|語呂合わせで簡単暗記

相撲の10階級は語呂合わせを使うと効率よく覚えられます。
上から覚える方法と、下から覚える方法の2パターンを紹介します。
上から覚える語呂合わせ
上位階級から覚えたい方向けの語呂合わせです。
「横大関・脇こむすびに、前十両」
意味:横綱→大関→関脇→小結→前頭→十両
この6階級が「関取」グループです。
さらに下の「力士養成員」グループは、「まくさんじょじょ」という語呂合わせで覚えましょう。
意味:幕下→三段目→序二段→序ノ口
下から覚える語呂合わせ(新弟子目線)
新弟子が目標に向けて「下から上を目指す」イメージで覚えるなら、こちらの語呂合わせがおすすめです。
「じょじょさんまく、じゅうまえこせよ!」
意味:序ノ口→序二段→三段目→幕下→十両→前頭→(こ)小結→(せ)関脇→(よ)大関→横綱
下から上へ昇り詰めるイメージと合わせて覚えると、より記憶に定着しやすくなります。
相撲観戦で役立つ階級の豆知識

階級の知識を持って観戦に行くと、相撲の楽しさが倍増します。
ここでは初心者が特に知っておきたい豆知識をまとめました。
階級別の取組時間帯一覧
相撲の本場所は朝から夕方まで一日中開催されており、下位の階級から順番に取組が行われます。
| 時間帯(目安) | 取組階級 |
|---|---|
| 8:00〜 | 序ノ口・序二段 |
| 10:00〜 | 三段目 |
| 12:00〜 | 幕下 |
| 14:00〜 | 十両 |
| 15:00〜 | 幕内(前頭〜横綱) |
| 18:00頃 | 結び(最終取組、横綱が登場) |
上記はおおよその目安であり、場所や日程によって若干変動します。
正確な時間は日本相撲協会公式サイトで確認してください。
初心者におすすめの入場時間
相撲観戦に初めて行く場合は、午後2時〜3時ごろの入場がおすすめです。
この時間帯から十両の取組が始まり、会場の熱気が高まり始めます。
十両も「関取」の取組なので、迫力ある相撲を存分に楽しむことができるでしょう。
午後3時以降になると幕内(最高位の力士たち)の取組が始まり、午後6時ごろの「結びの一番(横綱の取組)」に向けて会場全体が盛り上がります。
逆に、朝9時〜11時ごろに入場すれば、下位力士の取組からゆっくり観戦でき、空いた時間に国技館グルメも楽しめるというメリットがあります。

まとめ|相撲の階級を理解して観戦をもっと楽しもう

この記事では、相撲の階級について以下の内容を解説しました。
- 相撲の階級は全10段階(横綱・大関・関脇・小結・前頭・十両・幕下・三段目・序二段・序ノ口)
- 十両以上が「関取」で給料が支給され、幕下以下は「力士養成員」で月給なし
- 横綱だけが降格なしの特別な地位で、横綱審議委員会の承認が必要
- 番付は毎場所の勝ち越し・負け越しで変動し、最終判断は番付編成会議が行う
- 観戦は午後2〜3時入場がおすすめで、十両〜横綱の迫力ある取組を楽しめる
相撲の階級制度は、厳しい競争と明確な序列が組み合わさった、世界でも珍しい文化的スポーツ制度です。
階級を理解してから観戦すると、取組の一つひとつに込められた力士の「想い」と「プライド」がより深く感じられるはずです。
ぜひ次の本場所観戦に向けて、この記事を参考に相撲の世界を深く知ってください。
参考:日本相撲協会公式サイト


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