大相撲の千秋楽、幕内最高優勝力士に贈られる巨大なカップをご覧になったことはありますか?あの立派な銀色のカップが「総理大臣杯」です。天皇賜杯とは何が違うのか、いつから始まったのか、そして実際に持ち帰れるのかなど、疑問に思う方も多いでしょう。この記事では、総理大臣杯の歴史から授与式の見どころまで、相撲ファン必見の情報を徹底解説します。
総理大臣杯とは?幕内優勝力士に贈られる栄誉ある賞

総理大臣杯は、大相撲の本場所(年6回開催)で幕内最高優勝を果たした力士に授与される、日本の伝統と格式を象徴する表彰です。
千秋楽の表彰式では、優勝力士が土俵上で高さ約85cm、重さ約40kgの巨大な銀色のカップを両手で掲げる姿が印象的です。
この総理大臣杯は、天皇賜杯と並んで大相撲における最高峰の栄誉とされており、約100年の歴史を誇ります。
総理大臣杯の定義と正式名称
正式名称は「内閣総理大臣杯」です。
これは内閣総理大臣が幕内最高優勝力士の栄誉を称えて授与する賞であり、日本相撲協会が主催する本場所で贈られます。
大正時代に創設されて以来、日本の首相が代々受け継ぐ形で優勝力士に贈られてきた、相撲界における重要な表彰の一つです。
授与条件|誰がもらえるのか
総理大臣杯を受け取ることができるのは、幕内最高優勝を果たした力士のみです。
幕内とは大相撲の最高位の番付であり、その中で15日間の本場所を通じて最も多くの白星(勝利)を挙げた力士が優勝となります。
十両以下の優勝や幕下優勝などには授与されず、あくまで幕内優勝という最高の成績を収めた力士だけが手にできる栄誉です。
2026年1月場所では大関・安青錦関が2場所連続2度目の優勝を飾り、松本大臣が高市総理に代わって内閣総理大臣杯を授与しました。
総理大臣杯と天皇賜杯の違いを比較

大相撲の千秋楽では、優勝力士に複数の賞が授与されますが、その中でも特に格式高いのが「天皇賜杯」と「総理大臣杯」です。
両者は見た目も授与者も異なりますが、どちらも幕内最高優勝力士にのみ贈られる最高の栄誉です。
授与者の違い|誰が渡すのか
天皇賜杯は、天皇陛下から下賜される賞であり、実際の授与式では日本相撲協会の理事長が授与します。
一方、総理大臣杯は内閣総理大臣から授与される賞です。
首相が直接土俵に上がって授与することもありますが、国会開会中や外遊などで不在の場合は、担当大臣や首相補佐官が代理を務めます。
2026年1月場所では、松本文部科学大臣が代理として授与しました。
格式・位置づけの違い
格式の面では、天皇賜杯が最も格上とされています。
天皇陛下から直接下賜される賞であり、日本の国技である大相撲における最高の栄誉です。
総理大臣杯は天皇賜杯に次ぐ格式を持ち、行政府のトップである内閣総理大臣が授与する重要な表彰です。
どちらも幕内最高優勝力士だけが手にできる特別な賞であり、力士にとっては一生の誇りとなります。
授与の順番とセレモニーの流れ
千秋楽の表彰式では、まず天皇賜杯が最初に授与されます。
その後、総理大臣杯、優勝旗、そして各種副賞(三賞など)が順に授与される流れです。
天皇賜杯の授与時には優勝力士が深々と一礼し、厳粛な雰囲気の中で賜杯を受け取ります。
総理大臣杯の授与では、首相または代理者が土俵に上がり、優勝力士に表彰状とともに巨大なカップを手渡します。
満員の観客から大きな拍手が送られ、会場全体が優勝を祝福するクライマックスとなります。
【比較表】天皇賜杯・総理大臣杯・その他表彰の一覧
| 表彰名 | 授与者 | 対象 | 格式 |
|---|---|---|---|
| 天皇賜杯 | 天皇陛下 | 幕内最高優勝 | 最高 |
| 総理大臣杯 | 内閣総理大臣 | 幕内最高優勝 | 次点 |
| 優勝旗 | 日本相撲協会 | 幕内最高優勝 | – |
| 三賞(殊勲賞・敢闘賞・技能賞) | 日本相撲協会 | 優秀な成績の幕内力士 | – |
| 各種副賞 | スポンサー企業等 | 幕内最高優勝 | – |
総理大臣杯の歴史|いつから始まった?

総理大臣杯は、大正時代に創設されて以来、約100年の長い歴史を持つ伝統ある表彰です。
その背景には、当時の相撲人気の高まりと、国技としての地位確立がありました。
創設は1925年(大正14年)
総理大臣杯が初めて授与されたのは、1925年(大正14年)とされています。
当時の内閣総理大臣は加藤高明で、この年の場所で優勝した力士に初めて総理大臣杯が贈られたとされています。
以来、約100年にわたって歴代の首相が受け継ぎ、幕内最高優勝力士に授与され続けています。
創設の背景と当時の相撲人気
大正時代は、大相撲が「国技」としての地位を確立した時期でした。
1909年(明治42年)には両国国技館が完成し、相撲は単なる興行から日本の伝統文化・国技へと昇華していきました。
こうした流れの中で、政府としても相撲を奨励し、内閣総理大臣の名を冠した表彰を創設することで、国技としての権威を高める狙いがありました。
当時は大相撲の人気が非常に高く、優勝力士は国民的なヒーローとして扱われていたのです。
約100年の伝統を誇る賞の変遷
創設から約100年、総理大臣杯は時代とともに形や授与方法に若干の変化がありましたが、その本質的な意義は変わっていません。
戦前・戦中は軍国主義の影響を受けた時期もありましたが、戦後は民主主義の下で相撲の伝統が再評価されました。
現在でも、総理大臣杯は天皇賜杯に次ぐ重要な表彰として、幕内最高優勝力士に授与され続けています。
2026年現在も、歴代の名力士たちがこの栄誉を手にし、相撲史にその名を刻んでいます。
総理大臣杯の大きさ・重さ・素材|カップの詳細

総理大臣杯は、その巨大さと重厚感で知られる、まさに優勝力士にふさわしい豪華なトロフィーです。
千秋楽の表彰式で力士が両手で高々と掲げる姿は、大相撲の名場面の一つです。
サイズ|台座含め高さ約85cmの巨大カップ
総理大臣杯の高さは、台座を含めて約85cmです。
これは一般的なトロフィーと比べても非常に大きく、土俵上で力士が掲げると観客席からもはっきりと見える存在感があります。
カップの直径も大きく、両手でしっかりと抱えなければ持ち上げられないサイズです。
重さ|約40kgを呼出の助けを借りて渡す
総理大臣杯の重さは約40kgです。
一般の成人男性が両手で持つのもやっとの重さであり、授与の際には呼出(よびだし)が補助についてカップを持ち上げるのが通例です。
表彰式では、優勝力士が両手でカップを高く掲げ、満員の観客に向けて優勝の喜びを表現します。
その迫力ある光景は、千秋楽のハイライトの一つです。
素材|純銀製の豪華な造り
総理大臣杯は純銀製で作られており、その輝きと重厚感は格式の高さを物語っています。
銀の表面は丁寧に磨き上げられ、照明を受けて美しく輝きます。
カップの台座部分には装飾が施され、まさに国技の優勝者にふさわしい豪華な造りとなっています。
総理大臣杯は持ち帰れる?レプリカとの違い

表彰式で優勝力士が高々と掲げる総理大臣杯ですが、実は本物をそのまま持ち帰ることはできません。
天皇賜杯と同様に、総理大臣杯にも返還のルールがあります。
本物は持ち帰れない|返還のルール
表彰式で授与される総理大臣杯は、本物のカップであり、後日返還しなければなりません。
これは天皇賜杯と同じ扱いで、次の場所まで一定期間は優勝力士が保管しますが、次の場所の千秋楽前に日本相撲協会に返還されます。
本物は純銀製で非常に高価なため、紛失や破損を防ぐための措置です。
力士に贈られるレプリカ杯について
本物の返還後、優勝力士にはレプリカ(複製品)の総理大臣杯が贈られます。
レプリカは本物よりも小さく軽量ですが、デザインは本物を忠実に再現しており、力士は自宅や部屋に飾って永久保存できます。
このレプリカ杯は、力士にとって優勝の証として一生の宝物となります。
多くの力士が自身の部屋や実家に飾り、弟子や家族に誇りとして見せています。
総理大臣杯の授与式を見る方法

総理大臣杯の授与式は、大相撲千秋楽のクライマックスです。
テレビ中継やネット配信、そして国技館での生観戦など、さまざまな方法で視聴できます。
NHKテレビ中継で視聴する
最も一般的な視聴方法は、NHK総合テレビの大相撲中継です。
千秋楽は毎場所、午後3時頃から生中継が始まり、結びの一番(最後の取組)の後、午後6時前後に表彰式が行われます。
NHKは優勝力士へのインタビューや表彰式の様子を詳しく放送するため、自宅で臨場感たっぷりに視聴できます。
ABEMA・NHKプラスでネット視聴する
インターネット配信でも大相撲を視聴できます。
ABEMAでは、大相撲本場所を全日無料でライブ配信しており、千秋楽の表彰式もリアルタイムで視聴可能です。
また、NHKプラス(NHKの見逃し配信サービス)では、NHK総合テレビの放送を同時配信および見逃し配信で視聴できます。
スマートフォンやタブレットでも視聴できるため、外出先でも表彰式を楽しめます。
国技館で生観戦する|チケット入手方法
最も迫力ある視聴方法は、両国国技館での生観戦です。
千秋楽のチケットは人気が高く、特に優勝争いが盛り上がる場所では入手困難になることもあります。
チケットは日本相撲協会の公式サイトや、チケット大相撲(公式チケット販売サイト)で購入できます。
また、コンビニの端末(ローソン、セブンイレブンなど)でも購入可能です。
千秋楽は特に早めの予約が推奨されます。
表彰式は何時から?タイムスケジュール
千秋楽の表彰式は、午後6時前後に行われることが多いです。
結びの一番(最後の取組)が終了した後、弓取式を経て表彰式が始まります。
表彰式全体は約20〜30分程度で、天皇賜杯、総理大臣杯、優勝旗、三賞などが順に授与されます。
優勝力士のインタビューも含めると、午後6時30分頃までかかることもあります。
総理大臣杯にまつわるエピソード・豆知識

総理大臣杯には、約100年の歴史の中でさまざまなエピソードや興味深い記録があります。
ここでは、総理大臣杯にまつわる豆知識をご紹介します。
首相が直接授与した歴史的シーン
通常、首相が多忙なため代理者が授与することが多い総理大臣杯ですが、首相が直接土俵に上がって授与する場面もあります。
2025年1月場所では、石破茂首相が直接土俵に上がり、優勝した豊昇龍関に総理大臣杯を授与しました。
首相と優勝力士がグータッチ(拳タッチ)をする場面もあり、観客から大きな拍手が送られました。
また、2026年には女性初の首相となった高市早苗氏の就任により、「女人禁制」の土俵に女性首相が上がるかどうかが注目されました。
高市首相は「伝統を重んじる。在任中に土俵に上がって授与する考えはない」と明言し、代理者が授与するケースが続きましたが、女性首相の土俵問題は社会的な議論を呼びました。
歴代最多受賞は白鵬の45回
総理大臣杯の受賞回数で歴代最多を誇るのは、第69代横綱・白鵬です。
白鵬は幕内最高優勝45回という大記録を打ち立て、その度に総理大臣杯を授与されました。
この記録は他の力士を圧倒しており、まさに平成・令和を代表する大横綱の証です。
白鵬に次ぐのは大鵬の32回、千代の富士の31回などで、これらの名力士たちも総理大臣杯を何度も手にしました。
授与式での珍事・ハプニング集
総理大臣杯の授与式では、時折ハプニングやユニークな場面が生まれます。
例えば、重さ約40kgのカップを持ち上げる際に、力士や代理者がバランスを崩しかけたり、カップが滑りそうになる場面もあります。
また、首相が土俵に上がる際に不慣れな足取りで土俵入りする様子が話題になることもあります。
さらに、優勝力士が感極まって涙を流しながら総理大臣杯を受け取る感動的なシーンも、相撲ファンの記憶に残ります。
総理大臣杯に関するよくある質問

ここでは、総理大臣杯について読者からよく寄せられる質問にお答えします。
Q. 総理大臣杯は誰がもらえる?
A: 総理大臣杯は、大相撲本場所で幕内最高優勝を果たした力士のみが受け取れます。十両以下の優勝力士には授与されません。
Q. 総理大臣杯はいつから始まった?
A: 総理大臣杯は1925年(大正14年)頃から授与が始まったとされています。約100年の歴史を誇る伝統ある表彰です。
Q. 総理大臣杯の重さは何kg?
A: 総理大臣杯の重さは約40kgです。純銀製の巨大なカップで、授与の際には呼出が補助につくほどの重さです。力士が両手で高く掲げる姿が印象的です。
Q. 天皇賜杯と総理大臣杯はどちらが格上?
A: 格式の面では天皇賜杯が最も格上です。天皇陛下から下賜される賞であり、総理大臣杯はそれに次ぐ格式を持ちます。
Q. 総理大臣杯は持ち帰れる?
A: 表彰式で授与される本物の総理大臣杯は後日返還しなければなりません。力士には小型のレプリカが贈られ、永久保存できます。
Q. 表彰式は何時頃から始まる?
A: 千秋楽の表彰式は、結びの一番終了後の午後6時前後に始まることが多いです。全体で20〜30分程度かかります。
Q. 首相は毎回授与式に来る?
A: 首相が多忙な場合、担当大臣や首相補佐官が代理として授与します。国会開会中や外遊の際は代理授与が一般的です。
まとめ

総理大臣杯は、大相撲の幕内最高優勝力士に贈られる、約100年の歴史を持つ栄誉ある表彰です。
主なポイントをまとめます。
- 総理大臣杯とは:内閣総理大臣が幕内最高優勝力士に授与する賞で、1925年(大正14年)頃に創設された
- 天皇賜杯との違い:天皇賜杯が最も格上で、総理大臣杯がそれに次ぐ格式。授与の順番も天皇賜杯が先。天皇賜杯は日本相撲協会理事長が授与する
- カップの詳細:台座含め高さ約85cm、重さ約40kg、純銀製の豪華な造り
- 持ち帰りについて:本物は返還が必要で、力士にはレプリカが贈られる
- 視聴方法:NHK総合テレビ、ABEMA、NHKプラスでの視聴、または国技館での生観戦が可能
総理大臣杯の授与式は、大相撲千秋楽の見どころの一つです。
次回の本場所では、ぜひ表彰式にも注目して、優勝力士が巨大なカップを掲げる感動のシーンをお楽しみください。



コメント